基礎知識・入門編② 争族にならないために!知っておきたい「相続の基本のキ」

◆◇その相続、「争族」にしないために。家族の笑顔を守る基本の心構え!◇◆

「相続」は、故人の想いを未来へ繋ぐ大切な儀式です。
しかし、その過程で家族が対立し、関係が壊れてしまう「争族」へと発展するケースが
後を絶ちません。
親族間の争いを未然に防ぎ、円満な相続を実現するために、今すぐ知っておきたい基本の「キ」を解説します。

1. 「何」を相続するのか、正確に把握する

争いの原因の約7割は、「遺産の範囲や評価が不明確であること」だと言われています。

相続とは、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、
借金やローンなどのマイナスの財産もすべて引き継ぐことです。
家族の誰かが「あの財産はもっと価値があるはずだ」と不信感を抱いたり、
「まさか借金まであるとは知らなかった」と衝撃を受けたりすると、話し合いは一気にこじれます。

【争族を避ける基本のキ】
元気なうちに、すべての財産(負債も含む)をリストアップした「財産目録」を作成し、
その存在を家族に伝えておくこと。
これにより、死後の財産調査の手間がなくなり、透明性が保たれます。

2. 法定相続分は「目安」にすぎない

法律では、配偶者や子など、誰がどれくらいの割合で財産を受け継ぐか(法定相続分)が定められています。
しかし、この法定相続分はあくまで目安であり、必ずその通りに分けなければならないわけではありません。

むしろ、「法定相続分通りに分けよう」と形式にこだわりすぎた結果、
不動産を兄弟姉妹で共有名義にしてしまい、将来的な売却や管理で揉めるという
新たな火種を生むことがあります。

【争族を避ける基本のキ】
法定相続分にこだわるよりも、各相続人の今後の生活や貢献度を考慮した、
柔軟な「分け方」を話し合うこと。
特に「実家」など分けにくい財産は、特定の誰か一人が引き継ぎ、
代わりに他の相続人へ金銭(代償金)を渡すなどの工夫が必要です。

3. 最強の予防策は「遺言書」

遺言書がない場合、相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」が必要になります。
ここで意見が対立すると、裁判所での「調停」「審判」へと進むことになり、
これが「争族」の典型的なルートです。

しかし、被相続人が有効な遺言書を作成し、
「〇〇にはこの不動産を、△△にはこの預金を」と明確に指定していれば、
原則としてその内容が優先され、遺産分割協議自体が不要になります。
これが、争族を避ける最も強力な手段です。

【争族を避ける基本のキ】
単なるメモではなく、法的効力のある「公正証書遺言」を作成すること。
専門家が関与して作成するため無効になるリスクが極めて低く、
原本は公証役場に保管されるため紛失の心配もありません。
遺言書には、財産だけでなく、家族への感謝のメッセージを添えることで、
より円満な相続に繋がります。

まとめ:準備が家族の絆を守る

相続の準備は「自分の死後の話」ではなく、「残される大切な家族が、これからも仲良く平穏に暮らしていけるように」という愛の行為です。
手続きの基本を知り、一歩踏み出して準備を始めることが、家族の笑顔を守ることに繋がります。

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