デジタル遺言時代の到来?データやSNSアカウントの残し方
データやSNSアカウントの残し方
私たちの生活がデジタル化するにつれ、亡くなった後に残る「遺産」の形も大きく変わりつつあります。かつては通帳や不動産の権利書が遺産の主役でしたが、現在はスマホの中のネット銀行、仮想通貨、そしてSNSアカウントといった「デジタル遺産」が、遺族を悩ませる大きな課題となっています。
今、私たちが向き合うべき「デジタル遺言」の現状と、大切なデータの残し方について解説します。
1. 「デジタル遺言」は法的に有効か?(2025年現在の最新状況)
まず知っておくべきは、「電子データだけで作成した遺言書」は、現時点(2025年12月)の日本の法律では原則として無効であるという事実です。
動画で想いを残したり、パソコンのメモ機能に財産の分け方を入力して保存したりしても、それは法的な「遺言書」としては認められません。日本の民法では、自筆証書遺言は「全文を自筆すること」が厳格なルールだからです。
ただし、法改正に向けた動きは加速しています。2025年中には「公正証書遺言」の手続きのデジタル化が予定されており、将来的にはスマホ一つで法的に有効な遺言ができる時代がすぐそこまで来ています。しかし、現時点での確実な備えは、依然として「紙」または「公正証書」であることを忘れてはいけません。
2. SNSアカウントや写真は「相続」できるのか
インスタグラムやフェイスブック、X(旧Twitter)などのSNSアカウントは、多くのサービスで「一身専属権(その人だけの権利)」とされており、原則として他人が引き継ぐことはできません。
しかし、アカウントをそのまま消去するのではなく、**「追悼アカウント」**として残せるサービスも増えています。例えば、Facebookでは事前に「追悼アカウント管理人」を指定しておくことが可能です。また、Googleには一定期間利用がない場合に指定した連絡先にデータを共有する「不活性アカウントマネージャー」という機能があります。
3. デジタル遺産を迷子にさせない「3つの準備」
遺族が最も困るのは、「どこのサイトを使っているか分からない」「スマホのロックが解除できない」という事態です。以下の準備をしておきましょう。
デジタル資産のリスト化: 利用しているネット銀行、証券会社、サブスク(月額サービス)の名称を紙に書き出しておきます。パスワードそのものを書くのが不安なら、パスワード管理アプリの「マスターパスワード」の隠し場所だけを家族に伝えておくのが有効です。
スマホの「スペアキー」設定: iPhoneの「故人アカウント管理連絡先」などの機能を使い、万が一の際に家族がデータにアクセスできる道を作っておきましょう。
まとめ
不要なデータの整理(生前整理): 見られたくないデータや、不要なアカウントは元気なうちに削除しておくことも、残される家族へのマナーと言えます。
デジタル遺産は「目に見えない」からこそ、対策をしないと永遠に失われるか、あるいは死後も課金が続く負債になりかねません。
デジタルの便利さを享受する一方で、その「出口戦略」もセットで考えておくのが、令和時代の新しい終活です。




