会社設立の流れを7ステップで解説|手順と必要書類チェックリスト

「会社設立の手続きって、どこから始めればいいの?」「書類を何枚も集めなければいけないの?」そんな不安を抱えている方は少なくありません。
この記事では、会社設立の流れを7つのステップに整理し、各ステップで必要な書類・費用・かかる日数を2026年最新情報をもとに徹底解説します。
この記事を読み終えると、設立完了までのロードマップが頭に入り、準備から登記完了・各種届出まで迷わず進められるようになります。
📌 この記事のポイント
- 会社設立の流れは「定款作成→認証→払込→登記申請→各種届出」の7ステップ
- 株式会社と合同会社では費用・手順が異なる
- 設立にかかる期間の目安は1〜2週間(準備期間を含めると1〜2か月)
- 登記完了後の届出期限を守らないとペナルティが生じる場合がある
- 税理士に依頼すれば書類作成・届出の手間を大幅に削減できる
会社設立の流れ全体像:7つのステップ
会社設立は大きく分けて「設立前の準備→定款作成・認証→資本金払込→登記申請→設立後の各種届出」という流れで進みます。以下の7ステップを順番に押さえていきましょう。
| ステップ | 内容 | 目安日数 |
|---|---|---|
| STEP 1 | 会社の基本事項を決める | 1〜2週間 |
| STEP 2 | 印鑑・書類を準備する | 3〜5日 |
| STEP 3 | 定款を作成する | 1〜2日 |
| STEP 4 | 定款の認証を受ける(株式会社のみ) | 1〜2日 |
| STEP 5 | 資本金を払い込む | 1日 |
| STEP 6 | 法務局に登記申請する | 7〜10日(審査期間) |
| STEP 7 | 設立後の各種届出を行う | 登記後2か月以内が目安 |
設立にかかる合計期間の目安は、準備開始から登記完了まで約1〜2か月です。登記申請後の審査は1〜2週間程度かかるため、余裕を持って準備を進めることをおすすめします。
STEP 1:会社の基本事項を決める
最初に決めるべき事項は、会社設立の「設計図」ともいえる基本情報です。後で変更が難しい項目もあるため、慎重に検討しましょう。
決めるべき事項一覧
| 決定事項 | ポイント |
|---|---|
| 会社の種類 | 株式会社 or 合同会社(LLC)。費用・社会的信用・運営の手軽さが異なる |
| 商号(社名) | 使用できる文字・記号に制限あり。同一住所で同一商号は不可 |
| 本店所在地 | 自宅でも可。バーチャルオフィスを使う場合は定款に記載できる住所を確認 |
| 事業目的 | 定款に記載した目的以外の事業はできないため、将来展開する可能性がある事業も含める |
| 資本金 | 1円から可能だが、1,000万円未満にすると消費税が最大2年間免除に。許認可が必要な業種は要件確認が必須 |
| 役員構成 | 取締役・監査役の人数と任期。株式会社は取締役1名以上が必要 |
| 決算期(事業年度) | 自由に設定可能。設立月から12か月後が一般的。繁忙期と重ならない月を選ぶのがポイント |
株式会社と合同会社の違いについては、コストと信用度で判断するのが基本です。株式会社は設立費用が高い(約20〜25万円)分、社会的信用が高く、資金調達もしやすい傾向があります。合同会社は費用を抑えられ(約6〜10万円)、運営の柔軟性が高いのが特徴です。
STEP 2:印鑑・書類を準備する
基本事項が決まったら、実際の手続きに必要な印鑑と書類を揃えます。
準備する印鑑
会社設立では、代表者の個人印鑑(実印)と法人用の代表者印(会社実印)の両方が必要です。
- 個人の実印:定款への押印や公証役場での手続きに使用
- 個人の印鑑証明書:公証役場・法務局への提出用(取得から3か月以内のもの)
- 会社の代表者印(会社実印):登記申請書への押印に使用。作成には3〜5日程度かかるため早めに発注する
準備する個人書類
- 発起人・取締役全員の印鑑証明書(各1通)
- 発起人・取締役全員の住民票の写し(定款で住所確認のために使用する場合)
- 本人確認書類(運転免許証など)
STEP 3:定款を作成する
定款(ていかん)とは、会社の基本ルールを定めた書類です。会社設立における最も重要な書類であり、STEP 1で決めた基本事項をすべて反映させます。
定款の記載事項
| 区分 | 記載事項 |
|---|---|
| 絶対的記載事項 | 商号・目的・本店所在地・設立に際して出資される財産の価額・発起人の氏名と住所 |
| 相対的記載事項 | 株式の譲渡制限・取締役の任期延長・株主総会の招集通知期間の短縮など |
| 任意的記載事項 | 事業年度・役員報酬の決め方など |
電子定款と紙の定款の違い
定款には紙の定款と電子定款の2種類があります。紙の定款は印紙税4万円が必要ですが、電子定款(PDFに電子署名を付したもの)は印紙税が不要です。
電子定款の作成には専用ソフトや電子証明書が必要なため、行政書士・税理士に依頼すると4万円の節税になる場合があります。
STEP 4:定款の認証を受ける(株式会社のみ)
株式会社を設立する場合は、作成した定款を公証役場で公証人に認証してもらう手続きが必要です。合同会社はこのステップが不要です。
公証役場での手続き
- 持参物:定款(3通)・発起人全員の印鑑証明書・認証手数料・収入印紙(電子定款の場合は不要)
- 費用:認証手数料3〜5万円(資本金の額によって異なる)+謄本料約2,000円
- 所要時間:当日1〜2時間程度。事前予約が必要な公証役場もある
2024年(令和6年)の法改正により、資本金100万円未満の株式会社の認証手数料は3万円に引き下げられています(2026年現在)。
STEP 5:資本金を払い込む
払込の手順
定款の認証が完了したら、発起人(出資者)が資本金を払い込みます。発起人個人の銀行口座に、出資額を振り込みます(まだ法人口座がないため、個人口座を使用します)。
払い込み後、通帳のコピー(表紙・振込明細のページ)を取得し、登記申請書類の一部として使用します。
資本金の金額はいくらがよいか
資本金の金額は事業内容や許認可要件によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
- 1〜100万円未満:初期費用を抑えたい場合。消費税免税の恩恵を最大限に受けられる
- 100〜1,000万円未満:対外的な信用と消費税免税を両立するバランス型
- 1,000万円以上:社会的信用は高まるが、消費税免税が初年度から受けられなくなるため注意が必要
詳しくは税理士にご相談ください。事業計画に合った最適な金額をアドバイスします。
STEP 6:法務局に登記申請する
書類がすべて揃ったら、本店所在地を管轄する法務局(登記所)に登記申請書を提出します。この申請日が会社の設立日となります。
登記申請に必要な書類一覧

📋 株式会社の登記申請書類チェックリスト
- ☐ 登記申請書
- ☐ 定款(公証役場で認証済みのもの)
- ☐ 発起人の決定書(本店所在地・取締役選任に関する事項)
- ☐ 取締役の就任承諾書
- ☐ 代表取締役の就任承諾書
- ☐ 取締役・代表取締役の印鑑証明書(各1通)
- ☐ 資本金払込証明書(通帳コピーを含む)
- ☐ 登録免許税の収入印紙または領収書(株式会社:最低15万円)
📋 合同会社の登記申請書類チェックリスト
- ☐ 登記申請書
- ☐ 定款(認証不要)
- ☐ 代表社員・業務執行社員の就任承諾書
- ☐ 代表社員の印鑑証明書(1通)
- ☐ 資本金払込証明書(通帳コピーを含む)
- ☐ 登録免許税の収入印紙または領収書(最低6万円)
登記審査にかかる期間
法務局の審査期間は通常7〜10営業日程度です。登記が完了すると、法人の印鑑登録証明書・登記事項証明書(登記簿謄本)を取得できます。
STEP 7:設立後の各種届出を行う
登記が完了した後も、行政機関への届出が複数あります。届出期限を過ぎると各種特例が受けられなくなるため、スケジュールを把握しておくことが重要です。
税務署・都道府県・市区町村への届出
| 届出書類 | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|
| 法人設立届出書 | 税務署・都道府県・市区町村 | 設立後2か月以内 |
| 青色申告の承認申請書 | 税務署 | 設立後3か月以内 or 最初の事業年度終了日(いずれか早い日) |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 給与支払から1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例承認申請書 | 税務署 | 随時(申請した翌月から適用) |
| 棚卸資産の評価方法の届出書など | 税務署 | 最初の申告期限まで |
社会保険・労働保険の手続き
法人は原則として従業員が1人でも(代表者のみでも)社会保険への加入が義務です。
| 手続き | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 年金事務所 | 設立後5日以内 |
| 被保険者資格取得届 | 年金事務所 | 資格取得から5日以内 |
| 雇用保険 適用事業所設置届 | ハローワーク | 設置から10日以内 |
| 労働保険 保険関係成立届 | 労働基準監督署 | 成立から10日以内 |
会社設立にかかる費用の合計
| 費用項目 | 株式会社(電子定款) | 合同会社(電子定款) |
|---|---|---|
| 定款認証手数料 | 3〜5万円 | 不要 |
| 定款の収入印紙 | 0円(電子定款) | 0円(電子定款) |
| 登録免許税 | 最低15万円 | 最低6万円 |
| 会社実印作成費 | 1〜3万円程度 | 1〜3万円程度 |
| 各種証明書取得費 | 数千円 | 数千円 |
| 合計目安 | 約20〜25万円 | 約7〜10万円 |
税理士や司法書士に依頼する場合は、上記に加えて報酬として5〜15万円程度かかることが一般的です。ただし、書類作成の手間・ミスのリスク・各種届出のサポートを考えると、専門家への依頼はコストパフォーマンスが高い選択肢といえます。
まとめ:会社設立の流れを把握してスムーズに進めよう
会社設立の流れは、7つのステップで整理できます。STEP1で基本事項を決め → STEP2で印鑑・書類を準備し → STEP3で定款を作成 → STEP4で認証(株式会社のみ)→ STEP5で資本金払込 → STEP6で登記申請 → STEP7で各種届出、という流れです。
特に社会保険の手続きは設立後5日以内と期限が短く、見落とされがちです。設立直後にやるべき届出を事前にリストアップし、期限内に確実に対応しましょう。
会社設立のご相談は、ヤマザキ税理士事務所へ
埼玉県を中心に、会社設立から節税・補助金申請まで一括サポートします。定款作成・登記書類の準備・税務署への届出・社会保険手続きまで、初めての方も安心してご相談いただけます。初回相談無料です。
よくある質問(FAQ)
Q. 会社設立の手続きは何日かかりますか?
準備(基本事項の決定・印鑑作成など)から登記完了まで、目安は1〜2か月です。書類が揃ってから法務局に申請した場合、審査期間は7〜10営業日程度です。
Q. 自分で会社設立できますか?
法律上は自分で手続きを行うことができます。ただし、定款作成・登記書類の作成・各種届出と手続きが多く、ミスがあると登記が差し戻されるリスクもあります。税理士や司法書士に依頼することで時間とリスクを大幅に削減できます。
Q. 株式会社と合同会社はどちらがよいですか?
コストを重視するなら合同会社(設立費用約6〜10万円)、社会的信用・資金調達のしやすさを重視するなら株式会社(設立費用約20〜25万円)が有利です。将来的に株式上場を目指す場合は株式会社一択となります。
Q. 資本金はいくらにすればよいですか?
資本金は1円から可能ですが、1,000万円未満にすると消費税の免税期間が最大2年間適用されます。一般的には100〜500万円程度が初期費用を賄える実務的な金額の目安です。詳しくは税理士にご相談ください。
Q. 会社設立後すぐに役員報酬を取れますか?
役員報酬は設立後すぐに取ることができますが、税務上の損金算入には制約があります。原則として「定期同額給与」として毎月同額を支払う必要があり、事業年度開始から3か月以内に金額を設定するのが基本です。
Q. 消費税の免税はいつまで受けられますか?
原則として設立後2事業年度(最大2年間)は消費税が免除されます(資本金1,000万円未満の場合)。ただし、特定期間の課税売上高または給与支払額が1,000万円を超えると、2期目から課税事業者になる場合があります。
Q. 社会保険への加入は設立後すぐに必要ですか?
はい。法人は従業員がいなくても(代表者のみでも)社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務です。新規適用届は設立後5日以内に年金事務所へ提出する必要があります。
Q. 税務署への届出はいつまでに行えばよいですか?
法人設立届出書は設立後2か月以内に提出します。青色申告の承認申請書は設立後3か月以内(または最初の事業年度終了日のいずれか早い日まで)の提出が必要です。
Q. 税理士に会社設立を依頼したらいくらかかりますか?
定款作成・書類準備・届出サポートを含めて5〜15万円程度が一般的な目安です。電子定款の作成で収入印紙4万円が節約できることも含めると、実質的な負担はさらに小さくなります。
Q. 副業で会社を設立することはできますか?
法律上は副業・兼業での法人設立は可能です。ただし、勤務先の就業規則で副業が禁止されている場合は注意が必要です。また、役員として法人の社会保険に加入すると、勤務先の社会保険と二重加入(按分)となる場合があります。
監修者
税理士 山﨑 健司(ヤマザキ税理士事務所)
埼玉県を中心に、会社設立・節税対策・補助金申請を専門とする税理士。中小企業・個人事業主の起業支援に豊富な経験を持つ。




