会社設立に必要な書類一覧チェックリスト|定款・登記申請書の作成手順を税理士が解説

「会社設立には書類がたくさん必要と聞くけれど、結局どれを揃えればいいのだろう」
初めての設立手続きでは、書類の多さに戸惑う方がほとんどです。
結論からいえば、必要書類は「定款認証」「登記申請」「設立後の届出」の3つの場面に分けて揃えると、漏れなく準備できます。
場面ごとのチェックリストさえあれば、自分で進める場合でも迷いません。
この記事では、株式会社・合同会社それぞれの必要書類一覧と、就任承諾書・払込証明書など個別書類の作り方のポイントを税理士が解説します。
手数料などの金額は2026年現在の目安です。
📌 この記事のポイント
- ・書類は「定款認証→登記申請→設立後の届出」の3場面で整理すると漏れがない
- ・株式会社の登記申請書類は登記申請書・定款・就任承諾書・払込証明書・印鑑証明書など
- ・印鑑証明書は発行後3か月以内のものが必要
- ・合同会社は定款認証が不要で、書類も費用も株式会社より少ない
- ・印鑑届書は書面申請では必要、オンライン申請では任意(2026年現在)
会社設立に必要な書類一覧【チェックリスト】
まず、株式会社設立の必要書類を場面別のチェックリストで確認しましょう(2026年現在)。
📋 場面① 定款認証時(公証役場)のチェックリスト
- ☐ 定款(3通程度用意するのが一般的)
- ☐ 発起人全員の印鑑証明書
- ☐ 発起人の実印
- ☐ 認証手数料(資本金の額等に応じて1万5,000円〜5万円程度)
- ☐ (紙の定款の場合)収入印紙4万円分
📋 場面② 登記申請時(法務局)のチェックリスト
- ☐ 登記申請書
- ☐ 定款(認証済みのもの)
- ☐ 発起人決定書(本店所在地等を定款で定めていない場合)
- ☐ 設立時取締役の就任承諾書
- ☐ 設立時代表取締役の就任承諾書(取締役1名の場合は兼ねる)
- ☐ 設立時取締役の印鑑証明書
- ☐ 払込証明書(払込があったことを証する書面+通帳コピー等)
- ☐ 印鑑届書(書面申請の場合。オンライン申請では任意)
- ☐ 登録免許税分の収入印紙(貼付台紙。株式会社最低15万円)
📋 場面③ 設立後の届出のチェックリスト(概要)
- ☐ 法人設立届出書・青色申告の承認申請書など(税務署)
- ☐ 都道府県・市区町村への設立届
- ☐ 社会保険の新規適用届など(年金事務所・設立から5日以内が原則)
書類は「認証→登記→届出」の3場面で考えると迷わない
書類の数は多く見えますが、提出先は「公証役場→法務局→税務署等」の順に3か所だけです。
場面ごとに締め切りと提出先が違うだけなので、上のチェックリストを順に潰していけば、初めてでも漏れなく進められます。
書類の準備から設立完了までの期間は、全体で2〜3週間程度が目安です。
以下、場面ごとに詳しく見ていきます。
【場面①】定款の作成と認証に必要なもの
最初の関門が、定款(会社のルールブック)の作成と認証です。
定款の絶対的記載事項
株式会社の定款には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」があります(2026年現在)。
- ・目的(事業内容)
- ・商号(会社名)
- ・本店の所在地
- ・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- ・発起人の氏名または名称と住所
これらが1つでも欠けると定款自体が無効になります。
また、発行可能株式総数も登記までに定める必要があります。
公証役場での認証に必要な持ち物
株式会社の定款は、公証役場で公証人の認証を受けて初めて効力を持ちます。
認証時には定款のほか、発起人全員の印鑑証明書と実印、認証手数料(資本金の額等に応じて1万5,000円〜5万円程度・2026年現在)が必要です。
必要部数や予約方法は公証役場によって運用が異なる場合があるため、訪問前に電話等で確認しておくとスムーズです。
電子定款なら印紙代4万円が不要
紙の定款には収入印紙4万円が必要ですが、電子定款にすればこの印紙代が不要になります。
電子定款の作成には電子署名の環境が必要なため、自分で用意が難しい場合は専門家に依頼するのが実際的です。
【場面②】登記申請に必要な書類と書き方のポイント
定款認証が済んだら、法務局での設立登記に進みます。
ここでは主要書類を1つずつ解説します。
登記申請書
登記申請書は設立登記のメインの書類で、様式や記載例は法務局のWebサイトで入手できます。
登録免許税(株式会社最低15万円・2026年現在)は、収入印紙を貼付台紙に貼って納めるのが基本です。
なお、登記を申請した日が会社の設立日になります。
設立日にこだわりがある場合は、その日に申請できるよう書類の準備を逆算しましょう。
発起人決定書とは
発起人決定書とは、本店の具体的な所在場所など、定款で定めきれなかった事項を発起人が決めたことを証明する書類です。
定款に本店所在地を番地まで記載している場合など、不要になるケースもあります。
必要かどうかは定款の記載しだいです。
就任承諾書とは
就任承諾書とは、設立時取締役や設立時代表取締役に選ばれた人が「就任を承諾した」ことを証明する書類です。
設立時取締役の分と設立時代表取締役の分がそれぞれ必要ですが、取締役1名のひとり会社では兼ねる形になります。
書類の内容自体はシンプルで、就任を承諾する旨・日付・氏名などを記載して押印します。
登記の添付書類として、本人が就任に同意していることを法務局が確認するための書類、と理解すれば十分です。
誰が何通用意し、どの印鑑を押すかは会社の機関設計によって変わります。
記載例は法務局サイトにあるため、自分のパターンに合う例を確認してください。
払込証明書とは
払込証明書とは、資本金が実際に払い込まれたことを証明する書類です。
発起人の個人口座に資本金を振り込み、「払込があったことを証する書面」に通帳のコピー(表紙・振込ページ等)を合わせて作成するのが一般的です。
会社の口座は登記完了後にしか作れないため、この時点では個人口座を使う点に注意してください。
印鑑証明書・印鑑届書・会社実印
印鑑証明書は、発起人が定款認証時に、設立時取締役が登記申請時に、それぞれ必要です。
発起人・設立時取締役の印鑑証明書は、発行後3か月以内のものが必要です(2026年現在)。
取得が早すぎると期限切れになるため、スケジュールに合わせて取得しましょう。
また、会社実印(代表者印)は登記申請までに作成しておきます。
実印を法務局に登録する印鑑届書は、書面申請では提出が必要、オンライン申請では任意です(2026年現在)。
銀行印・角印もあわせて作っておくと設立後がスムーズです。
合同会社の設立に必要な書類【株式会社との違い】
「合同会社の必要書類」は検索でも最も多い質問です。
合同会社は定款認証が不要なため、株式会社より書類が少なく、費用も抑えられます。
📋 合同会社の登記申請チェックリスト
- ☐ 登記申請書
- ☐ 定款(認証不要)
- ☐ 代表社員・本店所在地決定書(定款の定めによる)
- ☐ 代表社員の就任承諾書
- ☐ 払込証明書
- ☐ 印鑑証明書または住民票等(登記所の取扱いに従う)
- ☐ 印鑑届書(書面申請の場合)
- ☐ 登録免許税分の収入印紙(合同会社最低6万円)
株式会社との主な違いを表で比較すると次のとおりです。
株式会社と合同会社の必要書類の違い
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 定款認証 | 必要 (手数料1万5,000円〜5万円程度) |
不要 |
| 登録免許税 | 最低15万円 | 最低6万円 |
| 就任関係の書類 | 設立時取締役・代表取締役の就任承諾書 | 代表社員の就任承諾書 |
| 本人確認系の書類 | 印鑑証明書 (発起人・設立時取締役) |
印鑑証明書または住民票等 (登記所の取扱いによる) |
※提出書類の細部は登記所の取扱いにより異なる場合があるため、申請前に管轄法務局へ確認するのが確実です。
【場面③】設立後に提出する書類
登記が完了しても、書類の提出はまだ終わりではありません。
設立後の届出の全体像を押さえておきましょう。
税務署・都道府県・市区町村への届出
税務署には法人設立届出書や青色申告の承認申請書などを、都道府県・市区町村にも設立の届出を提出します(2026年現在)。
青色申告の承認申請には期限があり、遅れると初年度の特典を受けられないため、登記完了後すぐ着手してください。
各届出の詳細は、設立後の届出を解説する記事で改めて取り上げます。
年金事務所への社会保険の届出
役員報酬を支払う場合、社会保険(健康保険・厚生年金)の新規適用届を年金事務所へ提出します。
期限は設立から5日以内が原則と短いため、登記完了前から準備しておくのが安全です(2026年現在)。
書類作成でよくあるつまずきと対処法
商号・目的の書き方の注意
同一住所に同一商号の会社は登記できないため、商号は事前に調査しておきます。
また、許認可が必要な業種(建設業・介護など)では、事業目的に所定の文言が入っていないと許認可申請で不利になる場合があります。
目的の書き方は、許認可の要件から逆算して決めましょう。
自分で作るか、専門家に頼むか
書類作成と登記申請は自分でも可能ですが、書類の不備による補正や、定款の設計ミス(目的・株式・機関設計)のリスクがあります。
登記手続きの代理は司法書士、設立前後の税務設計(資本金・決算月・役員報酬・届出)は税理士と、専門家の役割分担も知っておくと安心です。
特に資本金や決算月は、消費税や均等割など税務に影響する設計項目です。
書類を作り始める前に、税理士へ設立プランの相談をしておくことをおすすめします。
まとめ:3場面のチェックリストで漏れなく準備する
会社設立の必要書類は、「定款認証(公証役場)」「登記申請(法務局)」「設立後の届出(税務署等)」の3場面に分けて揃えれば迷いません。
株式会社は認証済み定款・就任承諾書・払込証明書・印鑑証明書などが中心で、合同会社は定款認証が不要なぶん書類も費用も少なくなります。
書類の様式や運用は法務局・公証役場ごとに細部が異なる場合があるため、迷ったら事前確認と専門家への相談が近道です。
設立後の税務までを見据えた準備は、ぜひ税理士にご相談ください。
会社設立の書類準備・設立後の税務のご相談は、ヤマザキ税理士事務所へ
春日部市、越谷市、さいたま市を中心に、会社設立・創業融資・節税対策をサポートする税理士事務所。資本金・決算月など税務に影響する設計もご相談いただけます。初回相談無料です。
よくある質問(FAQ)
Q. 会社設立に必要な書類は何ですか?
株式会社の場合、登記申請書・認証済み定款・発起人決定書・就任承諾書・印鑑証明書・払込証明書・印鑑届書(書面申請の場合)・登録免許税分の収入印紙が主な書類です(2026年現在)。
定款認証時には別途、発起人の印鑑証明書などが必要です。
Q. 合同会社の設立に必要な書類は何ですか?
登記申請書・定款(認証不要)・代表社員や本店所在地の決定書・就任承諾書・払込証明書・印鑑証明書または住民票等・印鑑届書(書面申請の場合)が主な書類です(2026年現在)。
定款認証がないぶん、株式会社より少なく済みます。
Q. 会社設立の書類はどこでもらえますか?
登記申請書などの様式・記載例は法務局のWebサイトで入手できます。
定款や就任承諾書などは決まった用紙はなく、記載例を参考に自分で作成します。
Q. 就任承諾書とは何ですか?
設立時取締役や代表取締役に選ばれた人が、就任を承諾したことを証明する書類です。
取締役1名のひとり会社では、取締役と代表取締役の承諾を兼ねる形になります。
Q. 払込証明書はどうやって作りますか?
発起人の個人口座に資本金を振り込み、「払込があったことを証する書面」に通帳コピー(表紙・振込ページ等)を添えて作成するのが一般的です。
振込のタイミングや記載方法に迷ったら専門家に確認してください。
Q. 印鑑証明書は誰のものが何通必要ですか?
株式会社では、定款認証時に発起人全員分、登記申請時に設立時取締役分が必要です(2026年現在)。
いずれも発行後3か月以内のものを用意してください。
Q. 会社の実印はいつまでに作ればよいですか?
登記申請までに用意します。
書面申請では印鑑届書の提出が必要(オンライン申請では任意)のため、商号が決まったら早めに作成しておくと安心です。
Q. 住民票は必要ですか?
株式会社の設立登記では原則として印鑑証明書を使います。
合同会社では印鑑証明書または住民票等を求められる場合があり、取扱いは登記所により異なるため、管轄法務局に確認してください。
Q. 書類に不備があるとどうなりますか?
法務局から補正(修正)の連絡があり、対応が遅れると申請が却下される場合もあります。
補正のたびに設立完了が遅れるため、提出前のチェックが重要です。
Q. 設立後にも提出する書類はありますか?
あります。
税務署への法人設立届出書・青色申告の承認申請書、都道府県・市区町村への届出、年金事務所への社会保険の新規適用届(設立から5日以内が原則)などです(2026年現在)。
期限が短いものから優先して進めてください。
監修者
税理士 山﨑 健司(ヤマザキ税理士事務所)
春日部市、越谷市、さいたま市を中心に、会社設立・創業融資・節税対策をサポートする税理士事務所。中小企業・個人事業主の起業支援に豊富な経験を持つ。




