会社設立後にかかる税金の種類と節税ポイント|法人税・法人住民税・消費税まで税理士が解説

会社設立後にかかる税金の種類と節税ポイント

「会社を設立すると、どんな税金をいくら払うことになるのだろう」

法人になると税金の種類が一気に増えるため、設立前に不安になる方は少なくありません。
結論からいえば、法人の税金は「利益にかかる税金」と「利益がなくてもかかる税金」に分けて理解すると、全体像がつかめます。
この2軸で整理すれば、設立後に「知らない税金の請求が来た」と慌てることもなくなります。

この記事では、会社設立後にかかる税金の種類一覧、主要な税率、設立1年目の注意点、節税の考え方までを税理士が解説します。
税率はすべて2026年現在の標準税率ベースの目安です。

📌 この記事のポイント

  • ・利益にかかるのは法人税・地方法人税・法人住民税(法人税割)・法人事業税の4系統
  • ・法人住民税の均等割(年7万円程度)は赤字でも発生する
  • ・中小法人の実効税率はおおむね30%台前半程度が目安
  • ・申告・納付は決算日から2か月以内が原則。1期目は中間納付なし
  • ・資本金の設定で均等割・消費税免税・登録免許税が変わる

会社設立後にかかる税金の種類一覧

まず、法人にかかる主な税金を一覧で確認しましょう(2026年現在)。

会社設立後にかかる主な税金の一覧

税金の種類 国税/地方税 利益との関係 主な納付時期
法人税 国税 利益(所得)にかかる 決算日から2か月以内
地方法人税 国税 法人税額に連動 決算日から2か月以内
法人住民税
(法人税割)
地方税 法人税額に連動 決算日から2か月以内
法人住民税
(均等割)
地方税 利益がなくてもかかる 決算日から2か月以内
法人事業税
・特別法人事業税
地方税 利益(所得)にかかる 決算日から2か月以内
消費税
(課税事業者のみ)
国税・地方税 課税売上に応じてかかる 決算日から2か月以内
源泉所得税 国税 給与等から預かって納める 支給のつど天引きし納付
固定資産税・償却資産税・印紙税など 国税・地方税 資産の保有・書類作成等にかかる 税目ごとに異なる

 

「利益にかかる税金」と「利益がなくてもかかる税金」に分けて考える

種類は多く見えますが、大半は「利益(所得)にかかる税金」で、決算のときにまとめて計算・納付します。
一方で、均等割や固定資産税のように「利益がなくてもかかる税金」があるのが、個人事業主時代との大きな違いです。

この2軸で頭を整理しておけば、資金繰りの計画も立てやすくなります。
以下、それぞれのグループを詳しく見ていきます。

利益にかかる4つの税金と税率

法人の利益(所得)には、次の4系統の税金がかかります(2026年現在・標準税率ベース)。

個人事業主の所得税が5〜45%の累進課税(住民税約10%が別途)だったのに対し、法人は税率がほぼ一定である点がまず大きな違いです。

① 法人税(中小法人は15%・23.2%の2段階)

法人税は会社の利益にかかる国税で、資本金1億円以下の中小法人の場合、所得800万円以下の部分に15%程度、800万円を超える部分に23.2%の税率が適用されます(2027年3月31日までに開始する事業年度・2026年現在)。

個人の所得税(最高45%の累進課税)と違い、税率がほぼ一定なのが特徴です。

② 地方法人税(法人税額の10.3%)

地方法人税は、名前に「地方」と付きますが国税です。
法人税額の10.3%が上乗せでかかり、法人税とあわせて申告・納付します(2026年現在)。

③ 法人住民税(法人税割+均等割)──「均等割」は赤字でも発生

法人住民税は都道府県・市区町村に納める地方税で、2つの部分から成り立ちます。
1つは「法人税割」で、法人税額に対して標準税率7.0%程度(自治体により異なる)がかかります。

もう1つが「均等割」です。
均等割とは、利益ではなく資本金や従業員数などの規模に応じて定額でかかる税金のことで、資本金1,000万円以下・従業員50人以下の会社なら年7万円程度が最低水準です(2026年現在)。

ここが法人特有の注意点で、法人住民税の均等割(年7万円程度)は、赤字でも必ず発生します。
「利益ゼロなら税金ゼロ」だった個人事業主との最大の違いとして、覚えておいてください。

均等割の金額は、資本金や従業員数が増えると段階的に上がる仕組みで、具体的な額は本店所在地の自治体によっても異なります(2026年現在)。
設立したばかりのひとり会社であれば、まずは「最低でも年7万円程度の固定費」と押さえておけば十分です。

④ 法人事業税・特別法人事業税

法人事業税は、所得に応じて都道府県に納める地方税です。
資本金1億円以下の中小法人は所得区分ごとの標準税率が適用され、税率は自治体や所得水準により異なります。
あわせて特別法人事業税も課されます(2026年現在)。

事業税には、納めた額が翌期の損金(経費)になるという他の税金にない特徴があります。
細かい税率はお住まいの都道府県の区分によるため、試算は税理士にご相談ください。

結局トータル何%?実効税率の目安

これら4系統を合計した実質的な負担率(実効税率)は、中小法人でおおむね30%台前半程度といわれています(2026年現在の目安)。
所得水準や自治体によって変わるため、あくまで資金計画のための目安として使い、正確な税額は決算前に試算してもらいましょう。

大まかなイメージとしては、所得800万円以下の部分は軽減税率が効くため実効税率は25%前後、800万円を超える部分が増えるにつれて30%台前半に近づいていく、という関係になります(2026年現在・標準税率ベースの目安。自治体や個別事情により変動します)。

「利益の3分の1程度は税金になる」と見込んで資金を残しておくと、決算後に慌てずに済みます。

利益がなくてもかかる税金・預かって納める税金

利益連動の税金のほかに、次のような税金も法人の負担・事務になります。

源泉所得税(役員報酬・給与からの天引き)

役員報酬や給与を支払う際は、所得税を天引き(源泉徴収)し、会社が国に納付します(2026年現在)。
会社が「税金を預かって納める」立場になる点が個人事業との違いです。

あわせて、役員・従業員の住民税を給与から天引きして納める特別徴収の事務も発生します。
役員報酬の決め方や源泉徴収の詳細は、役員報酬を解説した記事をご覧ください。

消費税(課税事業者になった場合)

消費税は、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると課税されます。

新設法人は資本金1,000万円未満などの要件を満たせば最大2年程度免税となる場合がありますが、特定期間の判定やインボイス登録により扱いが変わります(2026年現在)。
免税の条件と設立タイミングの工夫は、消費税免除を解説した記事で詳しく説明しています。

固定資産税・償却資産税・印紙税など

事業用の不動産や設備を持てば固定資産税・償却資産税が、契約書や領収書を作成すれば印紙税が、社用車を持てば自動車関係の税金がかかります。

いずれも利益の有無に関係なく発生するため、資産を持つほど固定的な税負担が増えると考えてください。

会社設立1年目の税金はどうなる?

設立1年目は「いつ・何を払うのか」がイメージしにくいものです。
初年度のポイントを3つに整理します。

申告・納付は決算日から2か月以内が原則

法人税・住民税・事業税・消費税は、決算で税額を確定させてまとめて納付します。
法人税等の申告・納付期限は、決算日から2か月以内が原則です(2026年現在)。

たとえば3月決算なら、5月末までに申告と納付を行います。
決算月から2か月後にまとまった納税資金が必要になることを、設立時から意識しておきましょう。

1期目は中間納付なし・2期目から発生する場合がある

設立1期目は前期の実績がないため、中間(予定)納税は原則ありません。

2期目以降は、前期の税額によって年度の途中で中間納付が生じる場合があります(2026年現在)。
「2年目は納税のタイミングが増えることがある」と覚えておくと、資金繰りで慌てずに済みます。

なお、設立初年度は設立費用がかさんで赤字になることも珍しくありませんが、赤字でも申告は必要で、均等割の納付もあります。
「利益が出ていないから何もしなくてよい」わけではない点に注意してください。

資本金の設定で変わる税金(均等割・消費税・登録免許税)

資本金の額は、均等割の金額、消費税免税の可否、設立時の登録免許税などに影響します(2026年現在)。

「資本金1,000万円未満/以下」の境目で扱いが変わるものが多いため、資本金は見栄えではなく税金への影響から逆算して決めるのが賢明です。

法人の税金を抑える節税ポイント

役員報酬・経費・共済などの基本

法人の節税は、役員報酬の最適化、経費(社宅・出張日当等)の活用、共済制度の活用などが基本の柱です。

それぞれ要件やルールがあるため、具体的な方法と注意点は会社設立の節税を解説した記事をご覧ください。

納税資金の準備こそ最大のポイント

実は設立1〜2年目のトラブルで多いのは、税金の高さそのものより「納税資金を用意していなかった」ことです。
利益の30%台前半程度が決算の2か月後に出ていく前提で、毎月納税分を積み立てておくと安全です。

節税と資金繰りはセットで設計するものです。
決算前の駆け込みではなく、期首から税理士と計画的に進めることをおすすめします。

まとめ:税金の全体像を押さえ、資金繰りに落とし込む

会社設立後の税金は、利益にかかる法人税・地方法人税・法人住民税(法人税割)・法人事業税の4系統と、赤字でもかかる均等割(年7万円程度)、預かって納める源泉所得税、条件次第の消費税などで構成されます。

実効税率はおおむね30%台前半程度が目安で、申告・納付は決算日から2か月以内が原則です。

種類は多くても、「利益にかかるか・かからないか」「いつ払うか」を押さえれば怖くありません。
自社の利益計画に基づく正確な税額の試算は、ぜひ税理士にご相談ください。

会社設立後の税金・節税のご相談は、ヤマザキ税理士事務所へ

春日部市、越谷市、さいたま市を中心に、会社設立・創業融資・節税対策をサポートする税理士事務所。設立後にかかる税金の年間スケジュールづくりもご相談いただけます。初回相談無料です。

よくある質問(FAQ)

Q. 法人が支払う税金の種類は何ですか?

主なものは法人税・地方法人税・法人住民税(法人税割+均等割)・法人事業税(+特別法人事業税)です。
ほかに消費税、源泉所得税、固定資産税・印紙税などが状況に応じてかかります(2026年現在)。

Q. 会社設立後、税金は全部でいくらくらいかかりますか?

利益に対する実質的な負担率(実効税率)は、中小法人でおおむね30%台前半程度が目安といわれます(2026年現在)。
所得水準や自治体で変わるため、正確な額は税理士に試算を依頼してください。

Q. 均等割とは何ですか?赤字でも払うのですか?

均等割とは、利益ではなく資本金や従業員数などの規模に応じて定額でかかる法人住民税の一部です。
赤字でも発生し、資本金1,000万円以下・従業員50人以下なら年7万円程度が最低水準です(2026年現在)。

Q. 法人税はいつ払うのですか?

原則として、決算日から2か月以内に申告と納付を行います(2026年現在)。
3月決算なら5月末が期限です。
納税資金を計画的に準備しておきましょう。

Q. 会社設立1年目に払う税金はありますか?

1期目の決算後2か月以内に、法人税等と均等割を納付します。
1期目は前期実績がないため中間納付は原則なく、役員報酬を支払っていれば源泉所得税の納付は期中から発生します。

Q. 法人住民税と法人事業税の違いは何ですか?

法人住民税は法人税額に連動する法人税割と定額の均等割から成り、赤字でも均等割がかかります。
法人事業税は所得に応じて都道府県に納める税金で、翌期の損金になる特徴があります。

Q. 消費税は設立後いつから払いますか?

資本金1,000万円未満などの要件を満たせば、最大2年程度免税となる場合があります(2026年現在)。
特定期間の判定やインボイス登録との関係は、消費税免除を解説した記事をご覧ください。

Q. 役員報酬にかかる税金はどうなりますか?

役員報酬は個人側で所得税・住民税の対象となり、会社が支給のつど源泉徴収して納付します。
報酬の決め方や定期同額給与のルールは、役員報酬を解説した記事をご覧ください。

Q. 資本金の額で税金は変わりますか?

変わります。
均等割の金額、消費税免税の可否、設立時の登録免許税などが資本金の額に影響されます(2026年現在)。
「1,000万円未満/以下」の境目に注意して設定してください。

Q. 法人の税金を安くする方法はありますか?

役員報酬の最適化、経費や共済制度の活用などの方法があります。
いずれも要件と注意点があるため、具体的な進め方は会社設立の節税を解説した記事と、税理士へのご相談をおすすめします。

監修者

税理士 山﨑 健司(ヤマザキ税理士事務所)
春日部市、越谷市、さいたま市を中心に、会社設立・創業融資・節税対策をサポートする税理士事務所。中小企業・個人事業主の起業支援に豊富な経験を持つ。


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